科目ごとに難易度の違いはあるの?
受かりやすい科目は?
どの科目を選べば最短で合格できるかな?
こんにちは、こはる(@2y9m1)です。
少ない労力で効率的に税理士試験に合格したいという方に役立つ内容となっています。
・各科目の難易度と特徴
・自分に合った科目を選択する方法
すでに4科目の科目に合格し、科目を選ぶ際に専門学校の先生に相談したりネットの情報を調べつくした私が説明します。
税理士試験の科目選択
税理士試験は5科目に合格する必要があります。
まず会計科目である簿記論と財務諸表論はかならず合格する必要があります。
さらに税法科目から3科目合格する必要があります。
税法科目は、所得税法、法人税法、相続税法、消費税法、酒税法、国税徴収法、住民税法、事業税法、固定資産税法の9科目あります。9科目中3科目合格すればいいのですが、法人税法と所得税法はどちらか1つを必ず合格しなくてはいけません。
また、消費税法と酒税法はいずれか一方しか受けられません。
同様に、住民税と事業税はいずれか一方しか受けられません。
必須科目:簿記論 財務諸表論
✔税法科目
必須科目:所得税法 又は 法人税法、
選択科目:相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税法又は事業税法、固定資産税法
ちなみに私は現在、簿記論、財務諸表論、消費税法、相続税法に合格していて、残り所得税法か法人税法に合格する必要があります。
税理士試験の科目ごとの難易度
まず、科目ごとの難易度をデータで見ていきましょう。
税理士試験の科目ごとの合格者と合格率
科目 | 受験者数 | 合格者数 | 元年度合格率(%) | 参考)30年度合格率 |
簿記論 | 11,784 | 2,052 | 17.4 | 14.8 |
財務諸表論 | 9,268 | 1,753 | 18.9 | 13.4 |
所得税法 | 1,659 | 212 | 12.8 | 12.3 |
法人税法 | 4,260 | 627 | 14.7 | 11.6 |
相続税法 | 2,897 | 338 | 11.7 | 11.8 |
消費税法 | 7,451 | 884 | 11.9 | 10.6 |
酒税法 | 492 | 61 | 12.4 | 12.8 |
国税徴収法 | 1,677 | 213 | 12.7 | 10.7 |
住民税 | 410 | 78 | 19 | 13.5 |
事業税 | 392 | 58 | 14.8 | 11 |
固定資産税 | 868 | 119 | 13.7 | 14.9 |
合計(延人員) | 41,158 | 6,395 | 15.5 | 12.8 |
受験者数ですが、簿記論が受験者数1万人超、続いて財務諸表論、消費税法、法人税法という順です。
法人税法で4千人くらいです。
続いて所得税法と国税徴収法が大体同じくらいの受験者数で1600人超
固定資産税は800人超、酒税法、住民税、事業税は500人を下回ります。
合格率は年によって異なりますが、だいたいどの科目も合格率は10%~20%の間です。
税理士試験の科目ごとの目安の勉強時間
✔必須科目
▼簿記論 450時間 計算100%/理論0%
▼財務諸表論 450時間 計算50%/理論50%
✔選択必須科目
▼所得税法 600時間 計算50%/理論50%
▼法人税法 600時間 計算50%/理論50%
✔選択科目
相続税法 450時間 計算50%/理論50%
消費税法 300時間 計算50%/理論50%
酒税法 150時間 計算40%/理論60%
国税徴収法 150時間 計算0%/理論100%
住民税 200時間 計算50%/理論50%
事業税 200時間 計算30%/理論70%
固定資産税 250時間 計算50%/理論50%
出典:スタディング
この勉強時間はかなり少なく見積もられているので、よほど頭のいい人でない限り、実際にはこの1.5~3倍程度の勉強時間が必要となると思います。
ただ、科目ごとに必要な勉強時間の目安にはなるかと思います。
一般的に難易度は、目安の勉強時間に比例します。勉強ボリュームが多い科目ほど難易度が低く、合格レベルに達するまでの勉強量が少ない科目ほど難易度が低いといわれています。
特に目安となる勉強時間が少ない、消費税法、酒税法、事業税、住民税、固定資産税、国税徴収法はミニ税法と呼ばれ、一般的に難易度が低いとされています。
科目ごとの特徴
別途記事を参照してください。
少ない労力で税理士試験に合格するための科目選択
簿記論、財務諸表論、法人税法、事業税法、国税徴収法(又は酒税法)
もしくは
簿記論、財務諸表論、所得税法、住民税法、国税徴収法(又は酒税法)
この組み合わせであれば、少ない労力と時間で合格レベルの実力を得ることができます。
法人税と事業税の科目選択の組み合わせは勉強の範囲がかなりかぶっているので、勉強時間の短縮になります。
同様に所得税と住民税も勉強範囲がかぶっているので科目選択の組み合わせとしてお勧めです。
国税徴収法と酒税法は必要な勉強時間が同じくらいですが、計算の1つのケアレスミスが不合格に直結する運の要素がつよい酒税法よりも、努力が報われやすいといわれる国税徴収法がおすすめです。
科目を難易度で選択するメリット
少ない勉強時間で合格レベルに達することができる。
目安の勉強時間が少ない科目を選択することで、短期間で合格レベルの実力を得ることができます。
例えば、一番勉強時間が必要な科目選択は簿記論、財務諸表論、法人税法、所得税法、相続税法ですが、目安の勉強時間は2550時間です。
この目安の勉強時間は超天才が合格レベルに達するまでの勉強時間なので、少なく見積もっても通常だとこれの2倍の5100時間くらいは必要だと思います。
たいして簿記論、財務諸表論、法人税法、事業税法、国税徴収法の組み合わせだと1850時間が目安の勉強時間です。2倍しても3700時間なので、一番勉強時間が必要な場合と比べて1400時間も少ない勉強時間で合格レベルに達することができます。
2年間、仕事などを辞めて受験に専念する場合、365日毎日6時間の勉強をした場合、2年間で4380時間の勉強時間となります。簿記論、財務諸表論、法人税法、所得税法、相続税法を選択した場合、合格レベルの実力を得るためには5100時間必要なため、物理的に時間が足りません。
合格レベルの実力がないまま試験を受けることになります。
しかし、簿記論、財務諸表論、法人税法、事業税法、国税徴収法であれば、同じ勉強時間でも合格レベルの実力を得ることができますので、短期間で合格できる可能性はあります。
科目を難易度で選択するデメリット
就職で評価されない
ミニ税法は就職で評価されにくい傾向にあります。実務であまり使わないからです。
税理士試験の勉強は、実務でそのまま使える知識です。実務で役立つ科目を取っている方が、就職時に評価されやすい傾向があります。
実務であまり使わない
国税徴収法、事業税、住民税、固定資産税等は実務で高度な知識が求められることは少ないです。
また、酒税法は特殊な業種でしか必要とされない知識なので、あまり使う機会がないかもしれません。
実務で使わない知識の勉強は、モチベーションが上がりづらいです。
また、実務で多く使う相続税や消費税を受けない選択をするということは、試験勉強が終わった後独学で勉強しなくてはいけないということです。
税理士になってから、忙しい中、試験勉強をしなかった科目の勉強をしていくのはツラいです。しかも必要な知識が足りないと、実務ができなくて苦労すると思います。
簡単に合格できるわけではない
「合格圏内の実力があること」と「合格できること」は別です。
難易度が低い科目というものは、ほかの受験者も同様に簡単だと思っているということです。
税理士試験は相対評価で上位10%程度が合格する試験です。
少ない勉強時間でも合格レベルの実力が持てるといわれているミニ税法の中でも「酒税法」「事業税」「住民税」は受験者数が少ないため、合格者も少なく、合格することを最優先にこの科目を選択する人が多いため、受験者のレベルも高い傾向にあります。
逆に、受験者数が多い消費税などは、受験者の資格取得への情熱にばらつきがあり、合格者数も900人程度と多いため、比較的合格しやすい科目と言われています。
一問ケアレスミスしただけで、不合格になることになります。
そういう意味でこれらのミニ税法は、かなり厳しい戦いで、運の要素も強く努力が報われにくいと言えます。
私は大抵、試験が終わった後、簡単なミスをしたことに2個くらいは気づきます。
やはり本番って緊張するので、どうしても簡単なところでミスしてしまうことがあります。
でもミニ税法はそんなケアレスミスが命取りになります。
そう考えると勉強の難易度は低いけれど、簡単に合格できる科目とは言えません。
一般的な難易度と自分が難しいと感じる科目は違う
社会が得意なひと、理科が得意なひと、色々な人がいると思います。
税理士試験の科目も11科目もあり、特徴もそれぞれ全く違うので、人によっては苦手と感じる科目があると思います。
色々な税理士受験生に自分が一番難しいと感じた科目はどれですか?と聞いたとしても人それぞれだと思います。
一般的に簡単といわれる簿記論や消費税法が一番苦手だったという人は少なくありません。
ちなみに一般的に難しいといわれている相続税の勉強は私は難しいと思いませんでした。それよりも最初勉強した簿記論の方が苦労しました。
試験科目は自分との相性もあります。実際に科目の勉強をしてみないと分からないことも多いです。
一般的に難易度が低いといわれている科目を自分も簡単だと思うかは実際に勉強してみないと分からないため、一般的な難易度だけを指標に科目を選ぶと失敗することがあります。
まとめ
科目の難易度とは関係なく、合格のしやすさを考えたときに、この科目が一番合格しやすいといえる科目はないように私は思います。
税理士試験の科目選択を難易度だけで決めることは、短期間で合格できる可能性もありますが、様々なデメリットもあります。
王道ではありますが、自分の興味のある分野の科目、または実務に役立つ科目を選ぶのがいいと個人的には思います。
一般的な科目の難易度だけで科目を選択するのではなく、今後自分がどうなりたいかも含めて科目選択について考えてみてはいかがでしょうか。この記事がどなたかの参考になれば幸いです。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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